松本の七夕人形は、桃の節句や端午の節句などの伝統行事 「五節句」のうち『七夕』に、誕生したお子様の穢れを除き去るための祓えや、健やかなる成長を願って、飾られるお人形です。

松本地方から安曇野、大北の一部にかけて軒先に七夕人形を吊るし飾る文化は、天明三年に信濃を訪れた菅江真澄の紀行文「伊那の中路」にもあるように、江戸中期から脈々と受け継がれています。

松本地方の七夕は、一か月遅れの八月七日に行われます。

願い事や『七夕』とか『天の川』『彦星』『おりひめ』などと書いた短冊を笹や竹に美しく飾ると共に、牽牛（彦星・織女（織姫）の一対の木や紙でつくられた七夕人形を軒先に吊るし飾り、七夕様は夏野菜や果物、粉類が好きと言われているので、おやき・ほうとう（甘くしたあんこやきな粉などを絡める）・まんじゅう等をお供えしてお祝いをします。

近年では、ご家族の行事はもとより、まちなかの各町会や各商店街、松本市立博物館のまるごと博物館事業「まつもとの七夕」やＪＲ松本駅などの公共施設などでもお飾りをすることにより、この七夕人形を飾る文化が「まつもとの夏の風物詩」となっております。